スケベエルフさん、現代へようこそ!
~「ようこそ! スケベエルフの森へ」スピンオフ 巨乳で一途なエルフたちといちゃらぶする短編集~
2018年10月26日
ぷちぱら文庫
著:和知まどか
画:葵渚
原作:ルネ
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エルダ・前編


「強いて言うならこの子……かな?」

 俺が1枚の写真を取り上げ、ノルに渡すと意外そうな反応が返ってきた。

「エルダ……エルダか……。なぜにこやつを選びおったのじゃ?」
「え……だって珍しくないですか? エルフなのに八重歯剥き出しで、野性味に溢れすぎているというか……」

 右も左もわからないこのアルフヘルムで、一番自分でなんとかできそうだな、と感じたのが彼女だったからとは言わずにおいた。

(他の面々は、エルフっていうだけあって全員すごく賢そうなんだよな。俺なんかじゃとても太刀打ちできなさそうな……でも)

 このエルダ、という日焼けした少女……剛腕無双と呼ぶにふさわしい大柄な身体に、獲物を狙い、狩ろうとしているようなギラギラと野生に満ちたこの両眼……。

(この子だったら、もしかして俺でも言いくるめられるような……。って、かなり失礼な考え方かもしれないけど)

 たったひとりでエルフの叡智とやり合うには、少しでもバカっぽそうな相手がいい。
 そんなことを考えてしまったのは、人間としての防衛本能か、それとも……『エルフなのに賢くなさそう』なエルダへのただの好奇心だったのか……。

(底抜けに明るそうな表情はちょっと可愛いかもな)

 何が嬉しいのか、にかっと笑っているエルダの写真をながめていると、ドォン、と地が裂けるような音が走り抜け、気づいた時には巨大な斧の切っ先が俺の喉元に突きつけられていた。

「……オマエが、長老ノルの呼んだキューセーシュってヤツか? あぁ!?」
「……!?」
「アタシはエルダ。ダークエルフ軍のエルダ、将軍デルヴァ様の右腕だ! ニンゲン……。黙ってアタシについてきな!」

 俺の首に、少しでも動けば刺さってしまうだろう鋭利な銀の刃。
 ギラギラと輝く斧の側面に、自分の怯えた顔が映っているのがよく見える。

「お、おぬし! この大馬鹿モノ! わらわが張った結界ごと、あたり一面を破壊しおってからにっ!」

 両手を振り上げて激怒するノルの罵声もどこ吹く風だ。
 こちらが呼ぶまでもなく自分の足でやってきた彼女……エルダは想像より遥かに野蛮で、見れば見るほどオーガかドワーフ、とても痩身美麗なエルフとは思えない容貌をしていた。

(あ、でも……なんかいい匂いはするな……)

 人間社会ではありえない窮地に、思わず現実逃避をした俺を……エルダのエメラルド色の瞳が睨みつける。

「あぁん? なにボケっとしてんだ? 聞こえなかったのかよ、お前はアタシたちダークエルフの獲物、所有物になってもらう。泣こうが叫ぼうがもう逃がすつもりはねぇってことだ! わかったか?」
「は、はあ……」

 勢いよく言い放つその顔は、しかめられ、こちらを威嚇してはいる。
 けれど、やはりエルフだからか……高い鼻に整った輪郭、そして柔らかそうな金の髪には思わず見惚れてしまう魅力があった。

(ざっくり切ったショートカットだから、長い耳がよく見える……)

 身の丈以上の大斧をたやすく操る筋力と、露出度の高いコスチュームから見え隠れする立派な肉体美。
 褐色というには色が浅く、日焼けした、海水欲帰りの女の子のような小麦色の肌は健康的で眩しいくらいだ。

「ッ……な、何見てやがんだ。そんなにダークエルフとエッチすんのが嫌だってのか!?」
「い、いや……元々そのつもり……っていうか、キミを呼んでもらう予定だったから、それは嬉しいくらいだけど」
「んんっ!? なんだオマエ、アタシのモノになるつもりだったのか!? 大変だ、デルヴァ様に報告しないと……!」

 予想外の出来事に弱いのか、はわわわ、と慌てて飛びのくとエルダはひたすら動揺していた。

「な、なんなんだ、なんなんだオマエ! な、な、な、なんでアタシなんかと……!」
「なんでって……。一度話してみたかったっていうか、興味があったから」
「きょうみっ!? ……は、は、ハナシってなんだ? アタシはオマエと話すことなんか何にもねぇぞ!? あ、アッタマわりーんだ、だから……『お話』なんかしたって面白いことなんか言えねぇし……。と、とにかくおとなしくダークエルフ軍のヤツとエッチしろ!」
「うん。だからエルダがいいのなら……、ダークエルフのエルダにお願いしたい」
「ふぇあああっ? え? え? い、いいのか? 命乞いとかしなくていいのか?」

 オロオロしすぎて、ついに斧を地面に落としたエルダは口元に右手を当ててその場をぐるぐるしはじめた。
 ……おそらくは脳のキャパシティーを現実が超えたのだろう。

(なんか、野良猫みたいで可愛いな……。いや、体格的には女豹、メスライオンなんだろうけど……)

 ぴょっこんぴょっこんと耳を激しく上下させつつ、『あー』だの『うー』だの、言葉にならない声を漏らすこと約数分。
 しらーっと冷めた顔をしている、仁王立ちのノルに向かって彼女は途方に暮れた様子で話しかけた。

「ア、アタシ、ニンゲンを強奪する気できたんだよ……。なのに、いいぞって言われたらどうしたら……」
「ふむ。それを、迷惑をかけた敵に聞くのか? 情けないのぉ!」
「だってだって……! 抵抗しねーのを強引にさらうとか、ダークエルフの誇り的にどうなんだぁ?」
「……うーむ……。ま、貴様らの首領……デルヴァはそういったことを嫌うかもしれんのぉ」
「だろ? だろ!? だっから困っちまって……っ」
「ふぅ……。エルダ。せっかく救世主どのがおぬしと子作りをしてみたいと言ってくださったのじゃ。ここはひとつ、一発スパーンと孕んでみよ」
「……は、はらっ……! って元からそのつもりだ! でも……!」
「無論、大切な大切な我らの救世主どのを使わせてやるのじゃ。交換条件は飲んでもらう。……そうさなぁ。孕むのはおぬしだけ、デルヴァにはこのことを伝えぬというのはどうじゃ」
「……! それは……! ええと……それは……。んんん……?」
「頭の悪いおぬしにもわかるように説明してやろう。おぬしの望み通り、救世主どのとエッチはさせてやる」
「お、おう。当然だよな!」
「が。それ以外のことは全てこちらに合わせてもらう……そりゃっ! 《拘束》!」
「んぐっ!? あぐっ、ああああああっ?」

 不意打ちでノルの魔法を食らったエルダは、ガクガクと脚を震わせ……ゆっくりと、そのまま地面にしゃがみこんだ。

「光の輪……? まさかそれでエルダを捕まえたのか?」

 エルダの両手両足を囲み、くるくると回る不思議な光の輪。
 それが彼女の怪力を失わせているのか、罠にかかった猛獣のようにエルダはおとなしくノルの目の前で倒れてしまう。

「ち、ちくしょ……エルフめ、狡猾なエルフ、めぇ……!」
「ふん。ヤれればよいのじゃろう、ヤれれば。良いか? あくまで救世主どのは貸すだけじゃ。おぬしには指先一本触れさせん。ただ一方的に犯され、精を注がれる……。わらわが許すのはそれだけじゃよ! それそれっ!」

 キィン! ガキィン! と金属同士がぶつかり合うような鋭い音が響き、エルダはすっかり仰向けに地に転がされてしまった。

「がるるるるる……!」

 大股開きにされ、腕もがっちり地面に縫い付けられて無防備になったエルダにトコトコと歩み寄ると……ノルはぺろん、と彼女の胸の布をずり上げた。

「ひぅっ!? 何しやがんだぁっ!」

 ビクンと跳ねたエルダの上半身からまろび出る綺麗な半円のお乳。
 
「あ……こ、これは……!」

 凄いな、と言いかけた俺はエルダが涙目で唸っているのをいじらしく感じてしまった。
「お、覚えてろ、大賢者ノルぅうう……! このっ、この、卑怯者がぁあああ……!」
「わらわはすぐに忘れると思うがの。……ほれ、救世主どの。今のうちにずっぷしハメてやれ!」
「え、えええ……。もっとイチャイチャしたのが良かったな……」

 これじゃ同意のないレイプみたいなもので、和姦というには少々厳しい。
 四肢を拘束され、自分で脱ぐこともできず……しかもノルにまじまじと見られながらというのはさすがにこちらも心苦しい。











「……ノル。席を外してくれ」
「それはできん。おぬしは知らぬだろうが、こやつはアンダーダークのきゃつらの中でも最も凶暴なエルフ。その腕力は折り紙付きじゃ。おぬし、油断してボキーッと身体を折られてもよいのか? わらわの魔法は完璧じゃが……こやつがそれを食い破るかもしれぬぞ?」
「そ、それでも……なんか集中できないから!」
「ふーむ。言い方を変えるとするか。わらわが見たいからここにおる。消えぬ。さあ、はじめよ!」
「とんっでもない性悪エルフじゃないか……!」

 むふふふふ、とこの場の支配者然として微笑するノルは、悪の大幹部めいた悪い表情を作りながら『ああ、そうじゃ』と呟いた。

「わらわがいて気になるようじゃったら、気にならなくなる祝福を授けてやろう。ん~♪ ん~♪ ん~……♪」

 軽くハミングを始めたかと思えば、喉を慣らしたノルは小声でぶつぶつと呪文を詠唱する。

「……互いの感度が5倍になる魔法……。くくっ、風が肌に触れるだけで羽根ボウキでくすぐられているかのような快感がおぬしらを襲うじゃろう……!」
「また余計なことを……! ってうわっ、おっ、ぁっ……全身がゾクゾクする……!」
「あっ……ンッ、ぁっ……なんだっコレぇっ……?」

 悶えるエルダを見下ろしながら、ノルはくつくつと悪女然とした笑みを浮かべている。

「おぉ? 耐えがたいであろ? 素直になってアンアン喘ぐが良い♪」
「だ、だれっがぁ……! 殺す! 殺すぞっ! ちくっしょぉおおーっ!」

 これじゃあ、ノルの淫らなお人形遊びに2人して強制参加させられているのと変わらない……!

「誰がそんなうさんくさい魔法にかかるかっ……! アタシの精神力をナメんじゃねえ……っ」
「本当かのぉ? 乳首がビンビンにおったってきておるようじゃがぁ?」

 嫌味ったらしいノルの指摘に、エルダはかぁああっと顔を赤くする。

「うっうるっせえ! んなことオマエに関係ないだろうがぁああああ!」

(うーん、緊張をほぐしてやれればいいんだけど……)

 どうしていいかわからないまま、ぺた……と手のひらをエルダの腰に当て、そのまま無防備な腹を撫でてやる。

「んっ!? んんんっ!?」

 暴れる犬をなだめる気持ちで、ツヤツヤした下腹から胸、そして鎖骨から首元と丁寧に指を滑らせると、くすぐられたと感じたのだろう。

「あひゃひゃひゃ うひぃっ!? ああっ! なにすんだァ!」

 身動きの取れない状態で悶え、腰をくねらせながらエルダは笑いを抑えきれなくなる。

「やめっ……やめひょっ……! あぐっ、あ、あの悪徳魔術師の魔法で敏感になってんだよっ! 余計なことしてくれてんじゃねええっ! ……きゃぅんっ♪ あぅううっ♪」

 強がろう、悪ぶろうとする反面で肉体の素直な変化に反応している。

(もっと触ってみたい。スベスベでツヤツヤのミルクチョコレートみたいな肌……)

「んひぃいいいっ!?」

 悲鳴をあげるエルダに構わず、山のように盛り上がった黄金比を感じさせる乳房……そしてくびれた腰、鍛えられた腹筋の中心にあるおへそ、ムチムチとした脚に手を伸ばす。
「あっあっあっ、んぐぅ~っ! サワサワやってんじゃねぇえっ! もっとガッと来いよぉおっ!」

 張りがあって密度の高い、重いおっぱいはゴムを揉んでいるみたいだったけれど……彼女が息を荒らげるころには、だいぶ熱を帯びて柔らかくなってきていた。

(丁寧になめされた獣の革みたいだ。いつまで触っててもまったく飽きない!)
 
「んっ、んんん……ぅ!」

 俺が撫でるたびにゾクゾクと身体を痙攣させるエルダが、声を抑えて我慢するのが面白くて、興味をそそられる。
 もっと恥ずかしがるところが見たい、一番いやらしい場所を触りたい……。

「はぁっ!? そ、そこはぁっ! てめぇえっ!」

 今まで感じたことのないドSな感情、黒い欲望のままに、薄い布が食いこんだだけの股間に手を這わせ……ずりっ、と布地を横にずらす。

「わ……。遊んでいるかと思ってたら……随分綺麗なアソコなんだな……!」

 汁気はそんなに多くないけれど、愛液の雫に濡れたそこは『花弁』と呼ぶにふさわしい美しさだった。
 ぴっちりと閉じた割れ目、そこからのぞくピンク色の入り口……。
 シミもくすみもない、天然の一級品を前にしてちょっと気おされるくらいだった。
 
「はァあ!? 誰と遊ぶってんだ!? 他にオスいないってんだろ!」

 エルダが怒鳴ると、クパクパと膣口も開閉する。

「中もめちゃくちゃ具合良さそうで……」

 にゅるにゅるとうごめく魔性の肉襞から、もういっときも目が離せなかった。

「い……いいからっ、いいからとっととナカに挿れやがれ! チンポをアタシの穴に入れて、シャセーすれば子どもができんだろ!? しょ、処女だからって見くびってんじゃねーぞ! 早くしろぉ!」

 ならば望み通りに、とズボンを下ろし、エルダによく見えるように堂々とペニスをさらけ出す。

「あひっ!? ひあっぁ……ッ……、そ、それがオマエの……か。ふにゃふにゃした顔のわりに……。その、なんだ。なかなかのモン持ってんじゃねーか」
「初めて見るチンポに怯えてる?」
「べ、べっつにビビってねぇよ! アタシはどんな敵の攻撃にもひるんだことなんかねぇし……! お、お前のチンポがバキバキになってるからって……。だからって……こっちが怖がるとでも思ってんのかぁ!?」

 言葉とは真逆にぷるぷる震えているところを見ると、かなりのショックを与えてしまったようだ。

「あ、あ、なんか……ヤバいな、思ってたのとちょっと違うっつうか……。もっと細くてなまっちょろいモンかと……。ごくっ、あ、あんなん入るのかよ? アタシの……中に……?」
「褒めてくれてるんだと思うことにするよ」
「っああああっ!? 待てっ、待て、ソレ、くっつけんな……ぁ、アタシの脚にっ、アソコにピタピタなすりつけてんじゃねええええっ!」

 指で、手で触るのも楽しかったけど、やっぱりペニスで直接肌の滑らかさを堪能するのが最上だ。

「っくぅうう……! それやめろぉ! なんか、熱くて気持ちわりぃ……!」

 顔を火照らせて怒るわりに、亀頭が、肉竿が身体にこすれる摩擦で感じている。
 とろぉ……と肉穴の奥からにじみ出てくる、粘り気の強い愛液を男根になすりつけると……俺はそのぬめりをそのままエルダの入り口にあてがった。

「や、ぁ……あっ、ど、どうすんだそれぇっ……!」
「挿入して欲しいって言ってたから」
「そうだけど、そうだけどよぉ……!」

 涙目になって身体を硬くするエルダの、無防備な蜜壺にぬちゅりと腰を沈めていく。

「あぎっ!? いっぎっ、あぐぅうううっ……あつっ、熱いぃいいいっ……!」
「おーおー、挿れただけで派手にイキおって。おぬし、なかなかの淫乱よのぉ」

 やんややんやとはやしたてるノルの声さえ聞こえていないのか、エルダは股関節をビクビク痙攣させながら、初めて受け入れる異物におののいていた。

「……っ! ッ……あ、あ、が……うう……太……い、デカいぃいい……っ! ありえねぇええ……っ!」

 バタバタ手足を動かしながら、息ができないのかエルダは必死にのけぞっている。

「んぐ……ぅ、あ、デルヴァ様……デルヴァ様、コイツ、なんかすっげぇです……ッ! アタシの膣内、食い破っちまいそうで……あああっ! アタシ、アタシ、ま、負けちまうかもぉ……!」

 あくまでダークエルフ軍の仲間たちのために、チンポをハメてもらったと言いたげなエルダ。

(そうじゃなくて……もっとこう、こっちに集中してほしいっていうか)

 若干の苛立ちと共に、気を引いてやろうと乳房を鷲掴みにする。

「はぁッ……うっ!? あッ……!」

 その不意打ちが効いたのか、わずかに緩んだ膣内にズルンッ! と肉棒がもぐりこみ……俺の股間に一気に熱とぬめりとがまとわりついてきた。

「んぐっ!? ひ、引きちぎられそうなくらいキッツ……っ!」
「ぬははは! やはり膣圧はダントツじゃったか♪ さすがの戦士も、アソコの中までは鍛えられぬと思っておったが……それでも、のぉ? フツーに比べたらのぉ? しかも処女じゃからの、当然のことよ♪」
「マジで好き勝手言いやがってええええっ……! おあッ! こ、怖い……っ! 武器がそのまんま入ってるみたいで、んっぐっ、さ、裂けるぅっ! 壊れるぅうううっ……!」
 目を見開き、拳を握ってがなりたてるエルダだったが、こちらもここまで心地いいおまんこを知ってしまったら止まれない。

「ご、ごめん……!」

 謝りつつも覆いかぶさり、身体の前面でエルダの胸を、肌を感じながら腰を揺らす。

「はぅ!? あっおっ……んぉおおっ!? あかっ!? んッ……はっぉっ……おおおっ! 奥っ……奥にぶっとい釘みたいなヤツがぁ……っ! ゴンゴン、ズブズブ出たり入ったり……んぁああっ! 抜かれたり……ッ、戻ってきた、りぃ……! おっおっおっ♪」

 いやいや、と頭を左右に振りながら膣内のペニスについていちいち実況する。
 それに返事をしてやるべきなのか迷ったが、……ひと突きごとに硬かった肉路が拡がっていき、優しく男根の先端から根元までを包みこんでいくその変化を止めたくなくて、ひたすら淡々と肉筒を前後させることに没頭した。

「っあ……! どんどんほぐれて……絡んでくる、あ、これ、これすっげ……!」
「す、スゲエのはお前のチンポだろ! あっぐっ、んぐっ……! アタシのアソコ、串刺しにしやがって……ぇ! 凶悪すぎんだよっ、顔と真逆にぃいいっ……おっ♪ おぁっ♪ おっひっひぎっ……!」

(だ、だんだん俺のモノの形になってきた……。ああ、そっか、生でヤるとこんな風に……!)

 相手の性器を丸ごと取り込み、精を奪おうと、エルダの膣壁はうねり……喜びを素直に伝えてくる。

「イっ……うああああっ! んだこれっ! イッ、イキっそ……あああああっ! 信じらんねぇええっ! ニンゲンの、ニンゲンのチンポっ……! アタシをイかせるためだけに生えてやがんのかよぉおおおっ……おオッ!? あッ!? あっ、気ぃ狂うぅううーっ!」
「やれやれ、うるさいのぉ。そうじゃ……♪」

 ノルの杖が光り、俺の頭が勝手にエルダの顔に近づいた。

「救世主どの。こやつにキスでもしてやれ。ぶちゅっとな。そしてその騒音をしばらく消してやるがよい♪」
「ま、また、こっちの許可も得ず……!」

 偉大な魔術師様には他者の抗議は通じない。
 不思議な力に導かれ、俺は微妙な角度でエルダの唇を奪った。 

「ん!? んっ、ん……!?」
「どうじゃ? アンダーダークの戦士エルダ。おぬし、交尾どころかキスをするのも初めてであろ? たくさん経験させてもらえてよかったのぉ♪」
「…………」
「んん? どうした、頭が悪くともわかるじゃろ。キスじゃよ、キス」
「これが……キス? 愛するオスとメスが交わす……。っ……思ったよりも、なんか、なんか……なんか……♪」

 初めての口づけに、心酔しきってとろーんとする。
 エルダはすぐに『もっぺんやってくれ、もう一回だ、キス、キス、もっとしろ!』と蕩けた表情でこちらを恐喝しつつ、チュッ、ちゅっ、と触れあう唇に夢中になっていた。

「んん……クソッ、なんかもどかしいっ……! 足も手も封じられてさえいなけりゃあ……オマエに掴みかかって、獣のよーにむしゃぶりついてやるのによぉ……!」

(今も、こっちがキスする前に唇を突き出して、舌を伸ばして、少しでも長く深く『してもらおう』っていうのが態度でバレバレなんだけどね)

「れろ……んっ、お前も舌出せよ。チュッ……ちゅっ、ちゅっ、ちゅっぷっくちゅっ」

 初めてだから、という理由では収まらないレベルで、エルダはしつこく口づけを求める。
 そしてこちらの口の中の酸素が全て吸い尽くされてしまった時、彼女は、にぱ……♪ と幸福な笑みを浮かべて、改めて膣内のイチモツを締めつけてきた。

「あー……決めた。今日からアタシ、オマエのことを『ダーリン』にする……♪」
「ダーリン……!?」
「だって……その、前に仲間がさ……言ってたぜ。ニンゲンの国では、つがいになったオスのことを、す、好きな、オスのことをダーリンって呼ぶんだって……」

(確かに間違ってはいないけど、意外だ……!)

 うるうると瞳を濡らしながら、少女ちっくな呼び方を言い出したエルダは、なんだか斧を振り回していた時よりも妙にあどけなく、清楚に見えてペニスが反応する。

「あっンッ、な、ナカででかくなったぁ……っ! ……っ、ダーリン……! ダーリン、ダーリンっ……ああああっ! すっげぇイイっ! 気持ちイイっ……ハメて、ハメ殺してぇ……!」

 ぽろぽろと乙女のように真珠の涙をこぼしながら、エルダは何度も俺にキスしようと唇を尖らせる。
 その姿があまりにもいじらしくて、俺は自然とエルダの口に自分の舌を強引にねじこんでいた。

「ん……っ、ちゅぷっ……ちゅるっ、ちゅぅうう……♪ だぁりん……っ♪」

 チロチロと舌先で、俺の唇を舐めるエルダ。
 彼女は腕を拘束されているせいで、こちらに抱きつけず、深い口づけができないことをもどかしく思っているみたいに、懸命に舌を伸ばしてきた。

「れろっ……あぁ、す、き……好き、イかせてくれよ……もっと! もっともっともっとぉおっ……んぁああああっ!」

 ぐぢゅっ! ぐっちゅっ、ぬちゅぅうううっ、ぐっぢゅっ!
 熟して濡れそぼった膣口でペニスを絞るだけでは飽き足らず、唯一自由になる腰を徹底的に振り乱して快感を増幅させてくる。

「ああ……イけよっ、一滴残らずアタシのナカに出せっ……! あっあっ、もらう、から……ダーリンの子種は全部アタシがもらうからぁああっ……! あーっ! あっあっ! は、早く……早くしろぉ……! じゃないとアタシ、何回もイかされて……ぁあああ、頭、頭悪くなるぅ、元々悪いのにっ、せ、生活できないくらいにバカんなっちゃうだろぉおお……ぉおっ!!」
「んぐぅうっ!?」

 エルダの熱烈な腰さばきによってタガが外れたように尿道が痙攣し、俺は輸精管をドッと通り抜けていく熱いいくつもの塊に、自分の射精を予感した。

「んおっ、おっ、おぉおおお……おほぉおおっ、あうっ、んぐぅうううんんんっ……!」

 元々感度を倍増しにされているせいか、エルダはドクッ、どぷっ、と俺の精液を注ぎこまれただけで盛大にイキ果てる。











「あーっ! 大好きぃ! ダーリン、大好きぃいいいーっ♪」


※   ※   ※



「うむうむ、誠に素晴らしき子作りであったぞ♪ 褒めてやろう♪」

 ぱち、ぱち、とおざなりに手を叩き、ぐったりしているエルダと俺に拍手を贈るノル。 彼女はまだ繋がりあったままの結合部から、こぽ……トロ……と逆流して溢れ出す白い樹液を一瞥し、そうじゃ、と嫌な予感のする言葉を発した。

「のぉ、エルダ。おぬし、このまま我らエルフと共に暮らさぬか? さすれば、毎日救世主どのを貸してやってもかまわぬが?」
「……その、申し出はありがたいけどよ……。アタシは……、んっ、デルヴァ様や仲間を裏切ることはできねぇ。ダーリンはもらっていく……っ」
「……そうか。おぬしも、損得勘定では生きられぬ愚か者よ」
「……!」

 嘲るような台詞と共に、ノルの輪郭がぼぅっと青く輝き出す。

(……あの光は……)

「そうじゃよ、救世主どの。さすがは賢きわらわの宝じゃ。……この光はおぬしをこの地に呼び寄せた光……。つまりは《転移》の魔法そのもの」
「そ……それが一体なんだってんだ! アタシだけアンダーダークに飛ばして消そうってのか?」

 いきがるエルダをフフン、と一笑し、ノルは大きな杖を天に掲げた。

「……そんな無粋なことはせぬ! いいか、エルダよ。おぬしは救世主どのに選ばれた最初の母体……! ゆえに、地下の国に戻すわけにはいかぬ! きゃつら、ダークエルフ軍とはわらわが直々に話をつける。……それまでおぬしらは、一旦デルヴァの手の届かぬ世界へ強制退避してもらうとしよう!」
「ま、待て、そんな……うああああっ!?」

 傲慢な大長老、ノルがエルダの話をまともに聞いてくれるはずもない。
 小さな天才魔術師が、ぶんっ! と杖をこちらに振りかざしたその瞬間……。

「うぎゃあああああああああ! なんだこれええええええ!」

 バリバリとエルダ、そして俺の周辺の空間が歪み……ふたりの身体がそこにズブズブと沈みこんでいく。

「エルダ、大丈夫だ! 大丈夫だから!」
「あっ、あああっ、ダーリン! ダーリン! 怖いぃいいい……!」

 耳をピンと真上に伸ばし、ガクガク震えている筋肉質な身体を抱きしめる。

「うえええええ……!」

 ボロボロと涙をこぼすエルダを、よしよし、よしよし、と子どもにするようにあやしてやりながら……俺は二度目の世界転移にそなえて、奥歯を噛みしめた。


※   ※   ※



「……で、ここがダーリンの世界……ってことか?」
「ああ。おそらくは、俺の世界……俺の部屋。そこに飛ばされてきたんだと思う」

 互いの肉体のみが飛ばされたせいで、エルダの拘束は解け……俺達はそろって、自宅のベッドに投げ出されていた。

「とはいえ、いつアルフヘルムに戻されるかもわからない状態だ。全てはノルの気まぐれ次第ということなんだろうな」
「……って、いつ戻すとか大事な話は全然してねーじゃねーか!」

 憤るエルダをなだめながら、用心深く己の部屋を見渡してみる。

(……最初の召喚から、あまり時間は経っていないみたいだな)

「うがー! ぐるるるる! あの性悪魔術師! あっちに戻ったら即噛みついてガリガリ引きちぎってやる!」

(さて。猛獣ダークエルフと、いきなりの同棲生活か……)

 少しの不安を抱えながら、ベッドの上で伸びをしているエルダを見つめると……。

「ん? だいじょーぶだって! ダーリンはアタシが守ってやるからよ!」

 キラッキラの笑顔で、逆にはげまされてしまうのだった……。






  ◆◆◆つづく◆◆◆

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